humangas's blog

自分用のメモなので雑です。

セルフエスティーム(Self-esteem)の向上が、組織の活力を生み出す

セルフエスティーム(Self-esteem)とは?

  • 自分を大切にし、自分を誇りに思う気持ち。ポジティブな自己イメージ。
    • 自分自身を誇りに思えるというのは、他者からも同様に十分に認められている状態を言う。

提唱者

  • 心理学者 ウィル・シュッツ博士
  • 個人の能力開発の分野で、全米で最も著名な学者の一人

提唱内容:

私達が、自分の能力を最大に発揮し、すばらしいパフォーマンスを生み出すためには、セルフエスティームが必要です。
セルフエスティームは、ポジティブな自己イメージですが、自分としても誇りに思い、他者からも充分に認められるであろうという自負心、自尊心であるともいえます。

著書「自己と組織の創造学」(春秋社、1995年)

セルフエスティームの構成要素

  • 自己重要感(Self-Significance)
    • 高い:大切にされる、低い:無視される
  • 自己有能感(Self-Competence)
    • 高い:能力を認められる、低い:馬鹿にされる
  • 自己好感(Self-Likability)
    • 高い:好かれる、低い:拒絶される

セルフエスティーム向上 => 組織の生産性向上

セルフエスティームを高めることで、その人自信が目の前の仕事に意欲的に取り組むことができる(生産的行動)とともに、他者へも良い影響を派生させる。
その相乗効果によって、組織全体へポジティブなサイクルを生じさせる結果、組織全体の生産性向上をもたらす。


個人が高いセルフエスティームを持つためのプロセス

自己を知り、その行動の意味を理解する。
そして、ネガティブな行動、態度を改善することで、成長することが出来き、結果セルフエスティームを向上させられる。

  1. 自己防衛のメカニズムを知る
  2. 何故、自分が特定の自己防衛行動に拘っているのか理解する
  3. 相手に対する防衛や非難的態度を改善する
  4. 他者の中で自己の成長を感じることが出来る
  5. その成長の結果、セルフエスティームを向上させることが出来る

組織におけるセルフエスティーム

セルフエスティームは、組織におけるすべての人間関係の中心である。

チームワークの問題というのは、

メンバーの相違から起こるものではなく、メンバー一人ひとりの柔軟性の無さと防衛的行動から生じるものである。

柔軟性の無さとは、

「柔軟性=新しい自己を発見していくこと」をしない事であり、自らの意思で変化、成長させられる行動を取らないことである。

防衛的行動とは、

無意識に行っている行動で、セルフエスティームの低さを露呈してしまうのではないかという恐れが影響して表面化する行動である。

セルフエスティームが低いということは、

自己重要感が低い(居ても居なくても良い)、自己無能感(仕事が出来ない)、自己嫌悪(自分が嫌い、他者からも嫌われている)を複合的に感じている状態であり、これらが暴露されてしまうのではないかという恐れが影響して、問題解決が妨げられる。

セルフエスティームを向上させるためには、

この低いセルフエスティームから生じる個人的な問題を効果的に扱えなければならない。
それを効果的に扱うことが出来た時、組織内で行われている品質向上のためのプログラムが初めて成功する。

低いセルフエスティームから生じる個人的問題を効果的に扱うためには、

まず、自己を知る必要がある。それをより明確にする概念として「自己概念」がある。

自己概念とは、

自分自身の今までの経験や認識してきた事柄によって形成される枠組みのことを言う。

自己概念は往々にして以下の要素で構成されていることが多い。

  • 既知の自分
  • 未知の自分
  • 他者から誤解されている自分

この未知の自分は新しい経験を積むことにより、見えてくる自分であるが、それは、必ずしも自分にとってポジティブな経験(良い経験)である訳ではない。
ただ、その経験が自分にとってネガティブな経験(失敗や悪い経験)であったとしても、事実を受け止め、既知の自分に取り込むことによって、それも含めた新たな自分として成長することが出来る。
さらに、常に経験を自己に取り込めることが出来るようになれば、当初自己概念として設定していた枠さえも広げる事ができる。

この時、この自分にとってネガティブな経験に無意識に防衛行動を取ることを「自己防衛」と言い、自己防衛を行っている自分を自身で認識出来ていなければ、それは成長の妨げとなる。

この自己概念を豊かにするための方法は、

「新しい経験を積むこと」、「フィードバックを受けること」と、その経験や他者の意見を自己に取り込むことである。 f:id:Humangas:20140209212829p:plain


低いセルフエスティームを放置した場合に生じる事象

人は無意識化でセルフエスティームのバランスを常に取ろうとする生き物である。

そのため、低いセルフエスティームの状態である場合、その低い状態を相対的に良い状態としようとし、他者のセルフエスティームを低下させる自己防衛行動を取るようになる。

その行動(非生産的行動、防衛的行動)が周りに派生して、自己だけでなく他者さえも同様の行動を取るサイクルが生まれた場合、組織全体の生産性は低下する。


自己防衛のメカニズム

無意識化で起こるこれらの行動が自己防衛である。 意識的に行う行動は、自己防衛ではない。 これらをセルフチェックしたり、他者に指摘してもらい、行動を意識的に見直すことで、セルフエスティームの向上に繋げる事が出来る。

これらのサインは、どんな人間にでも複数当てはまることであり、当てはまること自体を卑下する必要は全くない。 現在の自己と、自己の行動を改善するための気付きのツールであると認識して正直に自己を見つめなおすことが重要である。 また、すぐに止めるべき行動でもなく、そのことを自覚出来ているか? が最も重要な観点である。

※ 極端に当てはまる項目が少ない場合は、「5. 自分が正しいと思いたい」に該当する場合が多いと言われる。

自己防衛のサイン

  1. ユーモアのセンスを失う
  2. すぐに攻撃的になる
  3. 身体が緊張して、エネルギーがハイになる
  4. 知能指数が突然低くなる(頭の中が真っ白になる)
  5. 自分が正しいと思いたい
  6. 会話の最後は自分が締めたい
  7. 自分の考えの根拠を証明するための情報を洪水のように流す
  8. 永遠に続く説明と合理化(言い訳)をする
  9. 「かわいそうな私」を演じる(誰も私のことを理解しないと感じる)
  10. 何かと教えたがる
  11. 延々と説教する
  12. 何がなんでも頑固に自分の立場に固執する
  13. 人の話を聞かない
  14. 皮肉やあてこすりを言う(遠まわしに悪口を言う)
  15. 他者をからかう
  16. 「それが私さ」と言う
  17. 非難する(相手のせいにする)
  18. 突然の病気や怪我をする(自分の有能さが下がる場所には行きたくないための無自覚行動)
  19. 突然疲れる、眠くなる(自分の有能さが下がる場所には行きたくないための無自覚行動)
  20. 狂ったように振る舞う(必要以上の振る舞いをする)
  21. カッコよくやりすぎる(優等生ぶる)
  22. 特定のときだけ聞こえなくなる
  23. つまらないユーモアを言う(受けないオヤジギャグ)
  24. ふさわしくない笑いや、クスクス笑いをする
  25. 突然黙り込む
  26. 暑くもないのに汗をかく
  27. 中毒になる(自分に集中しなくて済むため)e.g., アルコール、ショッピング、仕事、ギャンブル、チョコレート

セルフエスティームを向上させるための組織的アプローチ

セルフエスティーム向上には、自己の意識改革、改善が何より重要であるが、組織的にその雰囲気を創りだすことで、より効果的に組織全体のセルフエスティームを高めることが出来る。

組織の雰囲気というのは、必ずしもそうではないが、その組織に対して影響力がある側である幹部(上司)が創り出すモノと思えば分かりやすいだろう。
つまり、後述のアプローチの【組織】=上司、【個人】=部下 と思えば良い。

そのためのアクションや雰囲気には以下の様な例がある。
これらは、人事制度などを変更せずとも上司や同僚の心構え一つで出来る事であり、またその効果も十分期待できるものである。

組織【承認】 → 個人【重要感】

  • それぞれの業務ミッションが明確で、一人ひとりの役割が明確になっている。
  • 何を期待されているかがメッセージされる。
  • 頭ごなしに非難することなく、最後まで相手の話に耳を傾ける。
  • 日常のコミュニケーション(挨拶/ 声を掛ける/ アイコンタクト/ 感謝の言葉)を欠かさない。
  • 意見や情報に対して、きちんと反応を返す。
  • 定期的に社員一人ひとりの能力を理解する。

組織【参画】 → 個人【活気】

  • ビジョン・方針とそれらの意図・背景を伝える。
  • 意思決定に参画させる。
  • 業績や進捗状況を知らせる。
  • 意見やアイデアを求める。
  • 一人ひとりの目標を自分で設定させる。

組織【リワード】 → 個人【有能感】

  • 成果・結果・果たした仕事に対して、公平に報いる。
  • 表彰の機会を設ける。
  • 成果や成果を挙げるための取り組みを発表する機会を提供する。
  • 結果目標とプロセス目標によって報われる。
  • 責任転嫁や、むやみに非難したりしない。
  • 特別扱いがない。
  • マイナスのリワードばかり行わない。

組織【エンパワーメント】 → 個人【自己決定】

  • 能力が発揮できること、期待されていること、情熱が持てることで活躍できる機会を提供する。
  • 学習や成長の機会を提供する。
  • 達成感・充実感・成長感の持てる、チャレンジしがいのある目標を設定させる(数値目標、成長目標)。
  • 業務面で必要な情報やノウハウ・ツールが容易に入手できる。
  • 一人ひとりがリーダーシップを発揮できる機会を提供する。

組織【人間的関わり】 → 個人【好感】

  • 組織や職場に温かい友好的な雰囲気がある。
  • 社員に対する感謝が示されている。
  • 困っているときに助けてくれる仲間がいる。
  • 必要なときに部門を越えてサポートしあう。
  • 気持ちのやり取りが行える。
  • 足の引っ張り合いや、裏切り行為などがない。

組織【フィードバック】 → 個人【気づき】

  • タイミングよく、こまめに分かりやすく指摘される。
  • ネガティブなものだけでなく、ポジティブな内容も行われる。
  • データに基いて行われる。
  • 率直に問題点を共有する。
  • 一方的なフィードバックだけでなく、相手にも考えさせる(リフレクション)。
  • 嘘、偽り、隠し事がない。